温浴業界で起こる「表示」の落とし穴

今回は施設の運営にあたって知っておいていただきたい施設内外の看板や説明板等の表示とそれらを規制する法律「景品表示法」についてご紹介いたします。

温浴業界で「景品表示法」に抵触してしまわないためには何に注意をするべきなのでしょうか?

起こりやすいケースの概要をまとめてみましたので是非ご覧ください!

 

景品表示法とは?

消費者は、誰もがより良い商品やサービスを求めます。

しかし、実際より良く見せかける表示が行われたり、過大な景品付き販売が行われると、消費者はそれらにつられて実際には質の良くない商品やサービスを買ってしまい不利益を被るおそれがあります。

 

景品表示法」は、商品やサービスの品質、内容、価格等を偽って表示を行うことを厳しく規制するとともに、過大な景品類の提供を防ぐために景品類の最高額などを制限し、施設の利用者などの消費者がより良い商品やサービスを自主的かつ合理的に選べる環境を守るための法律のことです。

 

一般的に「景品」とは粗品、おまけ、賞品等を指しますが、景品表示法上の「景品類」には、

顧客を誘引するための手段として

事業者が自己の供給する商品・サービスの取引に付随して提供する

物品、金銭その他の経済上の利益

であり、景品類に該当する場合は、景品表示法に基づく景品規制が適用されます。

 

また、「表示」とは、

顧客を誘引するための手段として

事業者が自己の供給する商品やサービスの内容など取引条件その他これらの取引に関する事項について行う

広告その他の表示

であり、内閣総理大臣が指定するものと定義されています。

 

具体的には、

●商品、容器又は包装

●見本、チラシ、パンフレット、説明書面

●ポスター、看板

●新聞紙、雑誌その他の出版物

●インターネット               などが挙げられます。

 

 

では、「景品表示法」に違反した場合はどうなるのでしょうか。

違反があった場合は課徴金命令!?

温浴施設における表示物には、施設内外の看板や説明板、パンフレット、ホームページ、口頭での説明など様々なものがあります。

商品やサービスをより多くの利用者様に知っていただくため、あらゆる媒体を用いて工夫を凝らしながら表示物の作成をされているのではないでしょうか。

しかし、中には事実と異なる表現が使われていたことで自治体から指摘を受け、場合によっては課徴金命令が下るケースも少なくありません。

課徴金命令に対する納付額は該当する商品、サービスに関連する売上額の3%程度と言われています。

 

ここではより安心してお客様にご利用いただくために、温浴施設で特に注意するべき表現についてご紹介をしていきます!

温浴施設で気をつけるべき表記

私たちが最も気をつけるべき表記は「温泉」についてです。

世界的に人気をあつめる日本の「温泉」ですが、魅力的なパワーワードであるが故に、表示物に使用する際は特に注意が必要です。

 

まず、「温泉」は「温泉法」という法律によって下記のように定義されています。

地中からゆう出する温水、鉱水及び水蒸気その他のガス(炭化水素を主成分とする天然ガスを除く)で、「(採取されるときの)温度が摂氏25度以上」または「25度未満でも、定められた19種類の物質のいずれかが規定量以上含まれるもの」

 

上記の定義から外れるお湯は「温泉」表示が許されておらず、誤解を招く表記は罰則対象になる可能性があります。

 

 

「温泉」という表記は要注意!私たちが気をつけるべき点は?

まず、温泉を利用しようとする事業者は、管轄の保健所長または各都道府県知事から「温泉の利用の許可」を受けなければなりません。許可手続きには下記のような「温泉分析書」が必要となっています。許可を受けた場合は、施設内の見やすい場所に温泉の成分禁忌症入浴または飲用上の注意事項を記載した「掲示証」を掲げなければなりません。

 

 

また、温泉成分は温泉利用者の信頼の確保の観点などから、10年ごとに再分析が必要となっています。

大昔の「温泉分析書」は、最新の温泉分析書と誤解を招かない工夫がされている場合には展示しても差し支えありません。

 

加えて2004年の「温泉法」の改正により、温泉の成分禁忌症入浴または飲用上の注意事項に加えて、下記の場合にも温泉成分に影響を与えるため、追加掲示することが定められました。

①温泉に水を加える場合

温泉に井水や水道水を加えて加水しているにもかかわらず、「源泉100%」「天然温泉100%」の温泉であるかのようにうたうのは、景品表示法に抵触する恐れがあります。

②温泉を加温する場合

温泉を加温している場合も「源泉100%」「天然温泉100%」等、源泉をそのまま利用しているような表示を行うと景品表示法に抵触する場合があります。

③温泉を循環・ろ過している場合

温泉を循環・ろ過している場合はその旨と理由について掲示が必要です。

④温泉に入浴剤を加えている場合

温泉に入浴剤を加えている場合はその入浴剤の名称と理由を掲示する必要があります。

また、入浴剤の種類が医薬品・医薬部外品でない場合は「効能」を表示することはできません。

⑤温泉を消毒している場合

温泉を消毒している場合は消毒の方法とその理由を掲示する必要があります。

安心してご利用頂くために

景品表示法の目的は消費者の利益を保護することです。

私たちはこれらのルールに則り、事業者として利用者が納得して満足して頂ける商品・サービスを提供し続けていきたいと考えております。利用者との長期的な信頼関係が一番の財産です。

当社では、企画開発・製造販売している商品について安心してご利用頂くために、すべての表示物について厳正なる確認作業を施しております。

入浴剤をご利用の施設様で、表示内容についてお悩みがございましたら、お気軽にご相談ください。


【参考】

景品表示法(消費者庁)

景品類(消費者庁)

表示(消費者庁)

温泉法 (環境省)

温泉分析書(日本温泉協会)

掲示証(神奈川県)

温泉掲示項目(環境省)